必要なのは1人になること、だった / 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である / 名越康文先生 / 【書評】
皆さんこんにちは。
今回は、名越康文先生の
「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である
という本を読みました。
そして内容を簡単にまとめてあります。
記事に目を通し、さらに深く内容を知りたくなった方は、本を手にとってみてください。
SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: 夜間飛行
- 発売日: 2017/06/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- SNSの普及
- あえて、1人になってみよう
- ひとりぼっちを勧める理由
- 世の中は「あうんの呼吸」だらけ
- 自分のための時間
- ①丁寧に行うことで「行」となる
- ②朝は恰好のソロタイム
- ③週に1回2時間よりも、毎日5分を続ける
- ④月に1度の食事会
- 有意義な人生を送るために
SNSの普及
もうこの子たち(SNS)がいない生活なんて
考えられないっ!
という方が多いのではないでしょうか。
わたし自身もSNSの沼にどっぷり浸かって日々過ごしています。
手間暇かけて情報取集するというわずらわしさは消え、おすすめやトレンドがお家でゴロゴロしながら見れちゃう。芸能人やインフルエンサーの行動や考えをリアルタイムで、知ることができる。世の中の傾向だって、画面をスクロールすればいくらだって見えてくる。
普通に生活をしていたら知ることもなかったであろう人の作品や考え。これらを見たり聞いたり、はたまた本人の生活をのぞくことさえできる。
場所や時間、そして経験値を選ばずに誰とでもつながることができます。私たちは、いつ・どこでも世の中とつながることが可能なツールを標準装備として手にしているのです。
あえて、1人になってみよう
そんな中で、「ひとりぼっちの時間を過ごそう」を推奨しているのがこの本になります。言わば、「人とのつながりから一旦開放されて、1人になってみよう!」ということになります。
ひとりの時間 = ソロタイム
ではなぜ、ソロタイムが必要なのか?
それは私たちが「周囲との人間関係」を何よりも大切に生きているからです。そして、その人間関係を維持していくために膨大なエネルギーを使っているということです。
例えば、こんなものがあります。
先生に褒められたい
上司によく思われたい
頼りになる先輩だと言われたい
あの子より可愛いと言ってもらいたい
恋人と喧嘩しないように
友人グループの輪を乱さぬように
このくらいやらないと認めてもらえない
空気の読めない奴だと思われたくない
・・・
挙げたらキリがありません。
あなたも普段何を思い他人と接しているか、一度考えてみてください。
日常でもSNSでもそうですが、私たちは自分が思っている以上に他人との関係のために身を削って繊細なコミニュケーションを日々取り合っています。そして、関係を維持するために他人からの評価にものすごく敏感になります。当たり前すぎて気が付かないかもしれませんが、それは自分をすごく疲れさせてしまっているかもしれません。
ひとりぼっちを勧める理由
それでもこんな声があると思います。
「人間関係を築くことは確かに、エネルギーがいるがその分人生が豊かになる。」
「人とのつながりは、プライベートでも仕事でもプラスにはたらくことが多い。」
それなのにわざわざ、ひとりぼっちの状況をつくることって意味がありますか? と。
確かに豊かな人生を送るうえで人間関係はかげがえのないものだと思います。
喜怒哀楽を分かちあえたり、仕事で切磋琢磨したり、憧れのあの人をひそかな目標にしてみたり。
ただしそれだけでは、他人ありきの人生でしかありません。自分は何者か、何を目指したいのか。しっかり軸を持っていなければ意味が無いと思います。
はっきりとした軸が無い人がいたとします。
するとたくさんの情報や人とのつながりを持っていたとしても、それらを活用することはなく、ただの受け身で終わってしまうでしょう。
自分自身の人生を歩むためには、たまに立ち止まり考える。そして、日ごろの人間関係を築いていく上で感じたストレスや疲れを癒す。
そんな時間が必要なのです。
世の中は「あうんの呼吸」だらけ
実際に社会や学校などの群れの中で生活していると「あうんの呼吸」が必要とされる場面にいくつも出くわします。
互いに空気を読み合うことが絶対条件。
過剰すぎては、かえって空気の読めない奴だと思われてしまう。ほどほどに、でもタイミングは決して間違えてはいけない。
自分だけ突出しないように、多数派の意見になんとなく同意する。周囲と目配せしながら、輪を乱すものがいないか探り合いながら、みんな何かを察した顔で余計なことは言わない。
これってよくよく考えるとものすごく高度なテクニックだと思いませんか?
せまい群れの中だけの価値観や習慣を「言わなくてもこのくらい分かるよね?」 で片づけることが多すぎて正直少し疲れてきちゃいませんか。
「あうんの呼吸」はいい意味で使われることもありますし100%悪いものではないと思っています。
本文を引用させて頂くと
「それが当たり前のように求められてしまう社会は、多くの人を疲弊させてしまう可能性が高い」ということになります。
だから、たまには群れを離れソロタイムを取り入れてみてはどうかという話に繋がるわけです。
自分のための時間
ここまで書いてきたように、私たちには自分のための時間が必要です。
人間関係や他人からの評価を気にしないで済む時間を意図的につくっていけたらベストです。それは別に些細な時間でも構いません。
この本でも「ソロタイム活用法」また「人生を変える習慣」としていくつか紹介されていますのでその中から気になったものを紹介したいと思います。
①丁寧に行うことで「行」となる
わたしはこれを読んだときに、丁寧な暮らしに通ずるものがあると思いました。
本では「テーブルの拭き掃除をする」という例えで説明されていました。
ただ単に「テーブルが汚れているから拭き掃除をしよう」と思って掃除をしているのと、丁寧に心を込めて掃除をしたのでは同じ掃除だったとしても終わったあとの「すっきり感」が違います。
心を込めて拭くと「モノ」と「心」が一体化するような感覚が生じてくる。
このように身体とモノの感応を利用して心を落ち着けることを仏教では「行」(ぎょう)と呼ぶらしいです。
掃除だけに限りませんが、日常の動作を丁寧に行うことによって心を落ち着けることができ、自然と群れから離れた落ち着いた時間をつくることができます。
②朝は恰好のソロタイム
これは「朝活」などと呼ばれ、近年よく言われ続けてきましたね。逆にいろんな本で「朝が大事」という事実を目にしてなおさら、その信ぴょう性が高まってきました・・・。
心理学の観点から見ても、やはり朝はパフォーマンスが良いそうです。誰かと情報を交換して行うミーティングや勉強会ではなく、どちらかというとクリエイティブな時間に充てると効果的だということです。
③週に1回2時間よりも、毎日5分を続ける
これは「毎日行う」ということが大切になってきます。
「ホメオスタシス(恒常心)」というものが関係してきます。これは、今の状態を維持しようとする働きのことです。
また新しい習慣が定着するまでの時間は、「2週間」と言われています。
「人生を変えるには2週間、それまでと違う1日を送ればいい」と書かれている通りでまずは2週間、自分と向き合いつつ継続していくことが大切です。
④月に1度の食事会
これは偶然にも私が実際にやっていた行動と重なり「これはやっぱり効果的だったのか~!」とうれしくなりました。
月に1度、誰と食事をするかというと「利害関係のない友人や師匠」です。言い換えると、あまり普段仕事やプライベートで一緒に過ごしていない友人や師匠ということになります。
なぜかというと、普段から顔を合わせている人だと「群れ」の雰囲気に染まりやすいからです。それではソロタイムとして意味が無くなってしまいます。
こういった方々と定期的に会うということは心の定点観測につながります。
「今、自分がどこに向かおうとしているか。」
「自分の状態は良いのか悪いのか。」
などを俯瞰的にとらえることができます。
私も仲の良い友人が2人いるのですが、普段は仕事やプライベートを優先させるという理由で特に連絡も取りません。
でも必ず月に1回は現状報告会と称して3人で食事をしています。
その時間は確かに、私が今考えていることや感じていることを聞いてもらい、率直な意見が聞けたりします。すると自分が今どこにいるのか、どんな位置でつまづいているのか、本当は何に悩んでいるのか、などが改めて見えてきます。
有意義な人生を送るために
つながる術であるSNSと、自分を見つめなおし癒すソロタイム。これらをメリハリつけて使い分けることができれば自分の人生の可能性を無限に広げることが可能ではないかと本気で思います。
ひとりぼっちで過ごすことに、寂しさや孤独を感じるうちはまだ群れへの依存が残っている証拠です。ひとりぼっちを楽しめてこそ、有意義な人生が歩めます。
この記事では「ひとりぼっちになるべし」という主張と理由や事実を簡単にまとめました。本の中にはさらに深く、また私たちの人生において大きなターニングポイントになるような言葉が多く書かれています。紹介しきれなかったライフスタイルの提案や、自身で人生を変えていくための具体的な方法などが詰まっています。
気になった方は、ぜひ読んでみてください・・・!
SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: 夜間飛行
- 発売日: 2017/06/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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